日本エルブが契約している中国山東省のにんにく畑(圃場)の生育状況をはじめ
中国のおもしろ情報など、当社現地駐在員からの生の情報を毎月お届けしてまいります。
{ 2023年 5月のトピックス }
①中国現地のにんにく生育状況(2023年4月下旬~5月中旬)
②中国(山東省)産にんにく今年の収穫見込み
③中国5月時事情報
1 にんにくの生育状況~2023年4月下旬~5月中旬情報~
中国山東省の4月下旬から5月上旬は、
「花茎(かけい)」の収穫期です。
前月号でちょこっとお伝えしましたが、
にんにくの株の中心から「花茎」が伸びてきます。
これがいわゆる「にんにくの芽(茎にんにく)」と呼ばれる食材で、
甘味と歯ごたえがあり、
炒め物などにすると美味しいですよね!
この「花茎(にんにくの芽)」を収穫します。
なんと、手作業で1本1本付け根から引き折っていきます。
これまで、専用のカマを使っていましたが、にんにくを傷つけることがあるので、
現在は1本1本引き折って収穫しています。
※但し、太く固くなってくると、一部カマを使うようです。
しかし、なぜこの「にんにくの芽」を収穫するのでしょうか?
主な理由は、にんにくを大きく育てるためです。
「にんにくの芽」をそのままにしておくと、養分が分散し、
にんにくの球の肥大が鈍ってしまうのです。
*☝ 今年のにんにくの芽の収穫
実は、日本(青森)では品種が異なるのであまり見られない光景です。
日本の福地ホワイト六片種はきれいな芽が出ない品種であることや、
手間をかけても市場に出回るまでの量に満たないことから、
鱗茎の収穫時に刈り取ってしまうことが多いそうです。
一方、「花茎(にんにくの芽)」を収穫した後は、
灌漑水を行い、にんにくの肥大を促します。
但し、雨🌧️が降ったら行わないそうです。
もう間もなく、にんにくの収穫が始まります😁
昨年に比べ、4月に入ってからの気温が思ったほど上がっておりませんでしたが、
5月に入り30℃🌡️を超える真夏日も記録されているようです。
この天候が続くよう祈るばかりです。
2 中国(山東省)産にんにく今年の収穫見込み
今年のにんにくは、
1ム(畝)単位面積あたりの収穫高は
昨年並より少し多いながら
植え付け面積が15%程度減少から収穫高は
対前年比13%~15%程度減少する見通しは変わらずです。
投機筋の動きは、旧物に対しては始まっており、
今の所30%くらい上がっているそうです。
なぜかというと、
今は新物が出回るまで冷蔵庫に保管している旧物が
良く売れる時期だからで、
昨年のにんにくを大量買い付けした投資家たちは
新物が出る前に利益を出すために、
価格を上げて売っているからだそうです。
新物についてはまだ動きは分からないとのことです。
3 2023年5月中国時事情報
今、連日トレンドジャックするほど爆発的な人気となっている
山東省淄博(シハク)市の「烧烤(シャオカオ)」(串焼きBBQ)。
*淄博市は当社中国事務所所在地の隣の市です。
中国各地の大学生らがこぞって淄博市に出かけ、この「烧烤」を食べるのだそう。
淄博行きの列車は満席で立つしかなく、16時半から店は行列、ほとんどの店が予約不可能状態で、
食材が売り切れる店も続出しているそうです。
淄博市は工業都市で、「烧烤」は昔からある食べ物です。
この地方の食材(肉・野菜・魚介など)を炭火で焼いて食べる習慣は
今から約1万3000年前まで遡れる長い歴史があります。
現在の食べ方は昔とは大きく様変わりしているそうですが、
テーブル毎に小さいコンロがあり、
店員が7~8分目まで火が通った串ものを運んできて、
残りの仕上げ焼きを自分たちで行うので、
「串を焼いた」という気分が味わえるのだそうです。
そして焼きあがったお肉と生の青ネギを、
小さいトルティーヤのような皮で包んで食べるのが主流なんだとか。
しかし、なぜここまで人気になったのかというと、
諸説ありますが、コロナ禍に、多くの大学生が強制隔離され、
その時に提供された弁当に「烧烤」が入っており、
量も多く栄養バランスも考えらえれているとSNSで話題となりました。
そして今、淄博(シハク)市に「恩返し」がしたいと、
多くの若者が弁当に入っていた名物料理の「烧烤(串焼き)」を食べに来ているのだそうです。
一方、その人気にあやかろうと淄博(シハク)市政府は、
BBQ列車やBBQバスの運行を開始。
巨大な串焼き会場をわずか20日間で建設し、
労働節の連休(4/29~5/3)に間に合わせたそうです。